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風邪の日

 今思えば昨夜から酷くのどが渇いていたけれども、単純に部屋が乾燥しているせいだと軽んじていた。
 しかしながら喉の乾燥は悪化の一途を辿り、今となっては痛みすら伴っている。 咳もあり、喉の奥はひりひりと熱を持つのに、身体中は冷水を浴びたように冷たかった。

 咳をすると腹膜がきゅっと緊張する。 その緊張は内臓をぐっと刺激するため、だんだん不快さを募らせていく。 夕飯としてすかいらーくのものに似せたきのこ雑炊をこしらえたが、食べる気が起きない。 熱を取り込みたいという意志とは裏腹に身体は常にわがままを貫こうとした。

 秋に入り、枯れ落ちた紅い落ち葉を連想する。 かさかさに乾いていて、踏むとぱりぱりと音を立てる葉。 足を上げるとぽろぽろに割られた葉が、やがて空風に吹かれてどこかへ消えてる。
 そういった葉を、同じくかさかさに乾燥した枝木の箒で集めるとしよう。 かさかさに乾いた地面を、ざらざらとなでながら葉を寄せるのだ。 その時の地面と箒の擦れるヶ所。 そのかさかさが今、自分の喉に訪れていた。

 げほげほと咳を吐く。 咳とは気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応である。

 私の咳はおそらく、箒でうまく集められなかった、ぱりぱりに割れた葉の残骸を外に出すためのものだと思う。

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プロフィール

帝埜 やしる

Author:帝埜 やしる
 
好きな作家:
 村上春樹、森見登美彦

作品の内容:
・ローファンタジー
・夢で見た内容など

執筆中:
・くじらの夢
・時計部屋の鍵と少女
・時市

完結:
・背の高い刑事と傷の少ない
 犯人の話
・ワールドプラネット

短編:
・タッタカタン
・冬の香り
・砂浜で埋もれていた亀の話
・公演会と誕生日会
・Settle Down
・ガラスの外殻を持つランプ

即興小説トレーニング
・甲板の男
・死にかけの血液
・気付かない振り
・二つの朝
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